しままるの雑記帳

しままるの思ったことや考えたことをアウトプットする場。「PC/プログラミング」「写真/旅行」「科学(勉強)」「心の問題」が主なテーマ。

科学

ベクトル解析の公式を証明する

投稿日:2017年4月3日 更新日:

ベクトル解析の公式をなるべく省略せずに証明する

 ここではベクトル解析で出てくるいろいろな公式を大真面目に証明してみようと思います。ベクトル解析では式の複雑さから色々なものを省略して書かれており、教科書で理解することが難しかったりします。ここでは式が冗長になることを覚悟してなるべく省略せずに一つ一つ理解できるようになるためになるべく省略せずに公式を証明したいと思います。

※ここではベクトル解析の計算の基本ができることを前提としています。勾配、発散、回転ってなに??という方は先にこちらをご覧ください。

公式その1 ∇・(∇×A) = 0

回転の発散はどんな変数であれ、ゼロになるという公式です。

一つ一つ数式をかみ砕いていきましょう。まず、上の式を①∇×A ②∇・(①)の二つに分けて考えます。

① ∇×A

ベクトルA = (Ax, Ay, Az)の回転をとります。回転を取る作業は行列式を使います。

② ∇・(①)

①で求めた式の発散をとります。発散の定義はこちら

この定義に沿って

最終的に黒い太字の項と赤字の項と緑字の項になります。これらは全部打ち消しあってゼロになります。これで証明終了です。

公式その2  ∇×∇×E = ∇(∇・E) – ∆E

波動方程式を導く際に使用する公式です。Eの回転の回転の・・・って考えると頭がごちゃごちゃしてきますよね。ここでは一つ一つ解決していきたいと思います。まず、上の式を①∇×∇×E ②∇(∇・E) ③ ∆Eの三つに分けて考えます。

① ∇×∇×E

まず、手始めにEの回転を計算しました。i,j,kx,y,z方向の基底ベクトルです。

得た式にさらに回転をかけてみます。

(①)

めちゃくちゃ式が長くなりましたが、やっていることは∇×Eと同じです。

これで∇×∇×Eの各成分の量がわかりました。

 

② ∇(∇・E)

∇(∇・E)を計算します。まず、∇・Eを求めます。これは簡単ですね。二行目からはそれの勾配を取りました。三行目でまとめて各成分の量を求めました。

 

③ ∆E

ラプラシアンです。ラプラシアンというのは勾配の発散ですよね。つまり

∆E = ∇・∇E

ということです。この∇Eの計算がめんどくさいんです。勾配を取るということはランクを一つ増やすことですから、Eがベクトルだったら∇Eはテンソルです。

Eを9つの成分を含むテンソルとして表現しました。

さらにここから発散を取ってベクトルに戻し、各成分ごとにまとめてみます。

④ ∇(∇・E) – ∆E

②、③から∇(∇・E)と∆Eの各成分をまとめると以下の様になります。

そして∇(∇・E)ー∆Eを求めると

(②)

どうでしょうか?①式と②式は同じになりましたね。これで証明終了です。

-科学

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

ベクトル解析の勾配のイメージ

目次1 はじめに2 勾配のイメージ2.1 偏微分2.2 偏微分にベクトルの概念を入れてみる3 ポテンシャル 勾配の数式と実際のイメージを結ぶ 流体力学、電磁力学には「∇」といったベクトル解析の演算子が …

マクスウェルの方程式の直感的解釈

目次1 4つの基礎式2 変数の説明3 発散、回転3.1 発散3.2 回転4 4つの方程式の意味4.1 マクスウェル-ガウスの式4.2 磁場保存の式4.3 ファラデー・マクスウェルの式4.4 アンペール …

あなたのこころが苦しい理由はズバリ「脳のケガ」です

目次1 本の紹介1.1 本の概要1.2 書評(しままるの感想)2 精神医療の現状3 MRI概要4 「松澤の断層法」概要5 松澤先生のロジック5.1 松澤の断層法の誕生5.2 認知症患者の扁桃体の傷5. …

移動現象論とは? 身近な例を紹介

目次1 はじめに(移動現象論で何がわかるの?)2 移動現象論とは一言でいうと3 物理量の移動とは?4 移動の速さを表す式5 移動現象のアナロジー6 まとめ こんにちは。今回は「移動現象論ってどんな学問 …

ルビーの色はなぜ赤色なの?

目次1 ルビーの基本構造 コランダム1.1 コランダムの成分”アルミナ”1.2 コランダム型のアルミナの構造2 アルミナ中の不純物2.1 コランダム型にクロム原子が入るとルビーになる2.2 原子の電子 …