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物質が光を吸収するとは?

投稿日:2017年3月29日 更新日:

物理化学の専門用語「吸光」について解説

原子や分子は特定の波長を吸収して、様々な変化を見せます。今日、電子レンジ・MRI・化学分析など、この性質を利用した様々な技術が使われています。
この記事では、物質の光の吸収、吸光の基礎知識と応用例について解説します。

物質の光の吸収

励起

原子や分子というのは周囲の状況に応じて振動したり回転したり、時には電子を放出したりします。振動や回転などの運動は原子や分子がエネルギーの高い状態になると起こります。
光や熱などを与えると物質はエネルギーの高い状態になります。このことを量子化学の言葉で「遷移する」とか「励起する」と呼びます。

※原子や分子の性質(振動・回転)について、詳しくはこちら↓

量子化

ここでポイントとして、原子や分子にある一定のエネルギーを与えたときのみ、状態が変化します。つまり物質のエネルギーというのは飛び飛びの値をとります。
これを「量子化されている」といい、この考えを基本とした化学の分野が量子化学なのです。

上図は窒素分子のエネルギー準位図です。1σとか1πというのはエネルギ準位の名前と思ってください。分子のエネルギーは図の横線で示した値しかとることが出来ないのです。

逆に言えば物質は決まったエネルギーの値しか吸収することができないってことだ。

エネルギーギャップ

原子や分子のエネルギーは飛び飛び、すなわち量子化されていると説明しました。
量子化されているということは、基底状態(エネルギーを得る前の状態)と励起状態(エネルギーを得た後の状態)との間には物質固有のエネルギー差があると解釈できます。

このエネルギー差をエネルギーギャップと言います。言い換えれば物質はエネルギーギャップに相当するエネルギーしか吸収できません。このエネルギーギャップは物質の種類によって変わります。

※上の図では、横線と横線の幅をエネルギーギャップに相当します。

吸収スペクトルを利用した物質の同定

物質は決まったエネルギーしか吸収できないということは、どのエネルギー(≒波長)の光が吸収されたかを調べれば、そのサンプルにある物質を調べることができるな。

未知の物質に色々な波長の光を当ててどの波長が吸収されたかを見れば、その物質の正体をみやぶることができます。
物質の正体を見破ることを「物質の同定」と呼びます。

スペクトルとは横軸を波長、縦軸を吸光度(どれだけ吸収されたか)を示すグラフです。

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