ドップラー効果の公式と問題例~高校物理のわからないを解決~

資料請求番号:TS13

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ドップラー効果は図を描いて解けば分かりやすく、簡単になる

明けましておめでとうございます。センター試験も近づいてきましたね。
ドップラー効果の計算はセンター物理に出てきます。ドップラー効果の計算はどのように考えて取り組んでおりますでしょうか?

音源が近づく場合/音源が遠ざかる場合/観測者が近づく場合/観測者が遠ざかる場合/音源・観測者共に動く場合・・・

など、場合分けをして、このケースではこんな解き方である。というような説明が学校や予備校でされたかと思いますが、実はそのような場合分けは必要ないのです。

ドップラー効果の問題を解くのに必要なのは、「一つの公式」と「一つの図」だ
けなのです

つまり
①公式を覚える
②図を描く
③公式と図を使って問題を解く

本記事ではこの3ステップで高校物理で出されるドップラー効果の問題を全て攻略しようというものです。
これから公式と図の描き方、図を使った問題の解き方を説明します。

ドップラー効果の公式

ドップラー効果の公式は以下の通りです。

観測者と音源が同一直線上を運動し、音源から観測者へ向かう向きを正とすると、観測者が聞く音波の周波数は以下のように表される。

まずはこの公式を覚えて頂きます。観測者(observer)の速度が分子に、音源(source)の速度が分母に関わってきます。
観測者は観測台に立って観測するから、観測者の方が上という覚え方をするといいと思います。(私が高校生の時はそのように覚えました。)

これが問題を解くのに必要なモノ1つ目です。

図を描く

次に問題を読んだとき、これを図に起こす方法を覚えます。

例題1:振動数960Hzのサイレンを出す救急車が速度15m/sで観測者に近づく。この時、観測者の聞く周波数はいくらか?
この問題から「音源」「観測者」「音源の進む向き」を描いて、最後に音源から観測者に向かって波を描きます。

音源・観測者と、これらが進む向き。そして音源から観測者へ向かう波。

この図が問題文から描き起こすことができればドップラー効果の問題を簡単に解くことができます。
この図が問題を解くのに必要なモノ2つ目です。

問題を解く

それでは、今の例題を実際に解いてみましょう。

例題1(再掲):振動数960Hzのサイレンを出す救急車が速度15m/sで観測者に近づく。この時、観測者の聞く周波数はいくらか?

例題1を解くとき、今あなたの手元には一つの公式と一つの図があります。

この図を見て、音源が動いていて、その向きは波と同じということを読み取ります。
この場合、動くモノの向きと波の向きが同じ場合、Vvsをつなぐ符号はマイナスになります。

よって、振動数は以下の様になります。

ポイントは2つです。
①音源が動いているのか観測者が動いているのか
音源が動いていれば分母の、観測者が動いていれば分子の数値が変わることになります。
②動くモノの向きと波の向きは同じか違うか
同じ場合、Vvsあるいはvoをつなぐ符号はマイナス
違う場合、Vvsあるいはvoをつなぐ符号はプラス
になります。

次の例題を解いてみましょう。
例題2:振動数960Hzのサイレンを出す救急車が速度15m/sで観測者から遠ざかる。この時、観測者の聞く周波数はいくらか?

音源・観測者とそれらが進む向きを描き、最後に音源から観測者へ向かって波を描く

①音源が動いているのか観測者が動いているのか
→音源だけが動いている→分母の数値だけ変わる

②動くモノの向きと波の向きは同じか違うか
→違う。よってVvsをつなぐ符号はプラス

答えは以下のようになります。

この方法に慣れれば、一番複雑といわれる、音源も観測者も動いているようなパターンの問題も簡単に解けます。

例題3:振動数960Hzのサイレンを出す救急車が速度15m/sで走っている。これと同時に速度20m/sでオートバイが救急車に向かって走っている。このときオートバイのライダーが聞く救急車の周波数はいくらか?

音源・観測者とそれらが進む向きを描き、最後に音源から観測者へ向かって波を描く

①音源が動いているのか観測者が動いているのか
→両方動いている→分母も分子も数値が変わる

②動くモノの向きと波の向きは同じか違うか
→救急車は同じ、オートバイは違う。よって分母の符号はマイナス、分子の符号はプラスになる

答えは以下の様になります。

 

確認問題

それでは、この解き方をマスターしたかどうか確認問題を出したいと思います。

例題4:振動数960Hzのサイレンを出す救急車が速度15m/sで走っている。これと同時に速度20m/sでオートバイが救急車に遠ざかるように走っている。このときオートバイのライダーが聞く救急車の周波数はいくらか?

図の答え 問題の答え

 

まとめ

今回は「公式と図を使えば簡単にドップラー効果の問題を解ける」というテーマの下、公式の覚え方、図の描き方をまとめました。

公式の覚え方

観測者は観測台に立って観測するから、観測者の方が上という覚え方です。

図の描き方
「観測者」「音源」「観測者の向き」「音源の向き」を描いて、最後に音源から観測者に向かって波を描く

公式と図を使った、問題の解き方
①観測者が動いている→分子の数値を変える
音源が動いている→分母の数値を変える

②動くモノの向きと波の向きが同じなら符号はマイナス
動くモノの向きと波の向きが違うなら符号はプラス

いかがでしょうか?この図の描き方さえ把握して置けば、観測者が動いていて、音源は動かない場合、公式がどうなって・・・ああなって・・・と考えなくてもよくなります。物体の動く向きと音源から観測者へ向かう波が同じ向きになるのか違う向きになるのかだけを意識すればよいのですから。

それでは、受験生の健闘を祈って、この記事を締めくくりたいと思います。

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