110年ぶりの性犯罪厳罰化 (山本潤さんの挑戦の実り)

資料請求番号:DE33

祝!性犯罪厳罰化(非親告罪化など)が国会で成立!

はじめに

実父からの性犯罪を受けてきた山本潤さんの懸命な活動により「性犯罪の非親告罪化」が国会にて成立致しました。
本記事では、山本潤さんの具体的活動について説明し、非親告罪とは何かを説明いたします。

まず、山本さん、おめでとうございます!そしてありがとうございました!

6月16日18時に出されました朝日新聞によりますと、

性犯罪を厳罰化する改正刑法が16日、参院本会議で全会一致、可決、成立した。「共謀罪」法案より先に提出されていたが、審議が後回しにされ、一時は今国会での成立が危ぶまれていた。

とのことです。

山本潤さんの過去と、現在の活動

山本潤さんは、幼いころ、実の父親から何年にもわたり、性暴力を受け続けてきた女性で、その後、大人になってからも脅迫症状・男性不信と言った症状に悩まされてきました。

彼女は現在、こうして顔も実名も出してこのような悲惨な過去を公表しています。その目的は「性暴力をなくすこと」です。

上記目的のために、現在は様々な活動を行っています。その一つが法改正へ向けた取り組みでした。現在は性暴力は親告罪ですが非親告罪にしようというものです。簡単に言えば、親からの性暴力は訴えなくても犯罪にしましょうということです。この成果が実り、2017年6月16日、性犯罪の厳罰化(非親告罪化、懲役刑の延長など)が成立したのです。

親告罪と非親告罪とは?

親告罪と非親告罪についてわかりやすくまとめたページを見つけましたので、紹介いたします。

著作権非親告罪化のメリット~許諾と黙認の違い~

以下、上記HPからの引用です。

親告罪には、大きく以下のような種別が含まれます。

①事実が公になると被害者に不利益が生じるおそれのある犯罪
わいせつ罪、名誉毀損、ストーカーなど
②罪責が比較的軽微であり、または当事者相互での解決を計るべき犯罪
過失傷害罪、器物損壊罪など
③親族間の問題のため介入に抑制的であるべき犯罪
親族間の窃盗罪や詐欺罪など

上記HPは著作権を問題にしておりますが、著作権を「実父からの性暴力」と読み替えていただければと思います。つまり、これまでの刑法では「実父からの性暴力」というのは公にすると被害者が非利益を被る犯罪と判断されていたと言えます。(親告罪の種別①)そうではなくて傷害罪のように非親告罪化しましょう。というのが今回の法改正のポイントです。性暴力があった。その事実だけで(被害者からの訴えがなくても)犯罪にしましょう。ということが成立したのです。

確かに、性犯罪というのは、訴えることが難しい犯罪です。でも、それを隠れ蓑にして加害者が何事もなかったように生きられるのはおかしいですね。

被害者が守られ、加害者が罰せられる。この当たり前を実現しよう。と山本さんは強く主張しておりました。

現存の課題 性暴力の立証の難しさ

法改正はされたものの、被害児童を守るための課題は残されています。
・暴行、または脅迫の立証が必要
暴行されている、または脅迫されているということを立証するのは難しいことです。子どもならば尚更です。

私から言わせれば、「病院に行って医師の診断書を貰う」とか「録音して大人に聞かせて助けを求める」とか思いつくものですが、子どもがそれを行うのは極めて困難だと思います。「親から性暴力を受けて辛い、どうしたらいいかわからない」というのが現実かと思います。

子どもは無力です。性暴力が起こっていると分かれば周囲の大人がこの法改正を活かすことを考えてあげなければなりません。そうしなければ、法の意味がなくなってしまうのです。

暴行、または脅迫の立証が必要という部分は被害者団体が撤廃を求めておりましたが、残念ながら今回の法改正で変化はありませんでした。

参考:法改正の具体的内容

法改正の具体的内容についてはこちらの記事で詳細に説明しています。

追記

2017年6月9日 追記

「いじめ問題」も「主観主義」と言って、子どもがいじめられたという訴えがなければどんなにひどいいじめ(その子どもの生命、財産を脅かすようないじめ)でも犯罪にならない現実があります。
そして「いじめられて苦しい」と言えないまま自殺する子どもが出てきているのではと思います。性暴力といじめは少し話が違いますが、親告罪であるという問題は共通していると感じたため、本記事にて取り上げさせていただきました。

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