熱が触れた、その瞬間。116話~120話
特設ページ 第6章ページ ← 前へ 次へ → 第116話 見送りのない出発 空港へ向かう朝、荷物は驚くほど少なかった。 最低限の衣類、端末、記録のコピー、旧論文の束。旅行の準備というより、資料室をそのまま手持ちに変えたよ … 続きを読む
特設ページ 第6章ページ ← 前へ 次へ → 第116話 見送りのない出発 空港へ向かう朝、荷物は驚くほど少なかった。 最低限の衣類、端末、記録のコピー、旧論文の束。旅行の準備というより、資料室をそのまま手持ちに変えたよ … 続きを読む
特設ページ 第5章ページ ← 前へ 次へ → 第105話 来ない温度 翌夜、レオはいつもより早くVR解析室へ入った。 認証を終え、白い空間が立ち上がる。 均質な白さ。無音。何もない床。 いつもと同じはずの初期状態。 レオ … 続きを読む
特設ページ 第5章ページ ← 前へ 次へ → 第100話 二重生活のひずみ その頃から、レオの生活には小さなひずみが出始めていた。 工場での仕事は続く。 開発室での評価も続く。 夜には白い空間へ向かう。 表面上は成立して … 続きを読む
特設ページ 第5章ページ ← 前へ 次へ → 第95話 現実へ帰らなければ その夜、レオは白い空間へ入る前に、少し長く扉の前で立ち止まった。 会いたい。 それはもう隠しようがない。 けれど、その思いだけでここへ来続けてい … 続きを読む
特設ページ 第5章ページ ← 前へ 次へ → 第90話 遅れ 違和感は、ごく小さな形で始まった。 その夜、レオは白い空間へ少し早く入っていた。 イオリが現れる位置を何気なく見ている。 いつもなら、温度の点はほとんど間を置 … 続きを読む
特設ページ 第4章ページ ← 前へ 次へ → 第81話 完成直前の呼吸 スーツは、いよいよ完成直前まで来ていた。 最終調整は細かく、地味で、だからこそ神経を使う。 装着圧を一段ゆるめれば保持が足りず、一段締めれば呼吸を邪 … 続きを読む
特設ページ 第4章ページ ← 前へ 次へ → 第76話 名前を呼ばれる 売店の前で、カレンは紙コップを二つ持って待っていた。 「今日は先に買っちゃいました」 「ありがとうございます」 自然に受け取ってしまってから、レオは … 続きを読む
特設ページ 第4章ページ ← 前へ 次へ → 第71話 形になる未来 その夜、レオは試作一枚目を白い空間の簡易表示へ読み込んだ。 イオリは、それを見た瞬間、呼吸を小さく止めた。 薄い保持層の形、呼吸に沿って動く線、体幹側 … 続きを読む
特設ページ 第4章ページ ← 前へ 次へ → 第66話 触れた図面 その夜、白い空間へ入ると、イオリはいつもより少し近い場所に立っていた。 「きょう、どうだった」 先に訊いたのは彼女のほうだった。 もう、図面の続きを待つ … 続きを読む
特設ページ 第3章ページ ← 前へ 次へ → 第41話 安心できる場所 その日は解析よりも先に、ふたりはしばらく何もせずに立っていた。 安心できる場所ができると、人は急に弱くなる。その弱さを見せてくれること自体が、レオに … 続きを読む