あなたのこころが苦しい理由はズバリ「脳のケガ」です

資料請求番号:TS64 DE81 DE86

心の病は脳の傷 松澤先生の開発した断層法について勉強しました

Bookoffで「心の病は脳の傷」という本を見つけました。本書は多くの精神病患者にとって救いになる本だと感じたため、本の概略記事を作成いたしました。この記事では、医学博士・松澤先生が開発した精神病患者の脳の特徴(傷)を見る方法、およびその開発背景、脳の傷ができる原因と傷の治し方についてまとめています。

本の紹介

書名:こころの病は脳の傷(副題:うつ病 統合失調症 認知症が治る)
著者:田辺 功先生 話す人:松澤大樹先生(東北大学名誉教授・医学博士 国見ケ丘未来クリニック院長)
ISBN:978-4-89013-630-8
2008年12月16日 初版発行
amazon販売ページ

本の概要

本書は精神科の重要な病気である統合失調症、うつ病、認知症の治療をテーマにした本であり、東北大学名誉教授・松澤大樹先生が上記病気に関して、脳の中を見ることで原因を突き止め、治療法を確立した。その具体的な治療法と治療効果についてまとめた本です。

書評(感想)

この本は、私が生きづらいと感じている、私の心が脆いのには必ず理由がある。と信じていた私にとって一つの解答を与えてくれた本です。この本を読むことによって救われたような気分になりました。また、論文調ではなく、物語形式で書かれていたので、ノンフィクション小説を読んでいるような読みやすさがありました。
ただし、断りなく脳の専門用語を多く使用しています。MRIの原理を知らない人や扁桃体?側脳室後下角?ってなにそれ??それって脳のどこにあるの??という人にとっては読みづらいです。(多くの人が専門家じゃないので、それに当てはまると思います)私も専門外なので、「3D Brain」とよばれるiOSで使えるアプリ(有料:確か1ドルくらいだったと思います)を見ながら、あるいはwikipediaを見ながら、他の専門書を見ながら読みました。
本記事では、この本が容赦なく専門用語を使ってくるところをカバーできるよう、心がけました。なので、最初はMRIの説明から入ります。
また、本記事で使用されている脳画像は「3D Brain」のものです。

精神医療の現状

まず、精神医療の現状からお話ししたいと思います。私は現在、精神医療を受けておりますが、仏教の話や故事成語からより良い生き方をする指導を受けています。しかしながら、これはあくまで人文の話で医学になっておらず、医学的根拠に欠いているものと思っております。
しかしながら、脳の病気を医学的根拠に基づいて考察するのは難しいのです。例えば血管や心臓を調査するのに血圧計があります。消化器を調査するには便を採ればよいですし、肺を調査するのにレントゲンがあります。しかし、脳を調査する方法には一応MRIはあるものの、それで精神の病気はわからないというのが現状です。
ところが、「松澤の断層法」の開発により、MRIで精神科の重要な病気である統合失調症、うつ病、認知症が画像を観察することでわかるようになったのです。これからそのお話をしていきます。

MRI概要

松澤の断層法の概要の前にMRIについて簡単に説明したいと思います。MRIは体内の水素原子がどのくらいあるかを測っています。強い磁場をかけて水素原子の電子スピンの方向を整えさせ、それに要したエネルギーから水素原子の分布を知り、画像化しています。化学の人にはNMRがお馴染みかと思いますが、それとほぼ同じ原理です。

ストーク

ぐちゃぐちゃになった状態をビシッと並べるにはエネルギーが必要で、ぐちゃぐちゃになったやつがいっぱいおるほどたくさんエネルギーがいるんで、分布がわかるっていうイメージたい。

MRIのすごいところは非侵襲(手術なし)で脳の中を観察できることです。MRIを撮ると、脳の断面画像が見えます。例えば、スイカを半分に切ったら赤い身と種が見えますが、まっすぐ半分に切った時と、ナナメに切ったときとでは違う断面が見えると思います。また、スイカを千切りに(そんなことする人はいないと思いますが)すれば、スイカ一枚一枚で違った種の配置が見えると思います。これと同じようにして、脳の断面の写真を切る位置を変えながら何枚も撮り、脳を3次元で観察しようというのがMRIです。

「松澤の断層法」概要

松澤の断層法とは、扁桃体や海馬が一番よく写る方向の脳の撮影法です。
一般的なMRIの撮影法は、人間の顔を「鼻の頭と同じ高さを赤道、つむじを北極とした地球」に喩えると、日本からブラジルにかけての線を取って、その断面を見るのが従来の撮影法ですが、松澤の撮影法ではオーストラリアからカナダにかけての線を取って断面を見ます。つまり、松澤の撮影法はナナメに切った時の線の軌跡が従来法と比較して上下対称になっているのです。

このMRIの撮影法を本書では

側脳室後下角に平行に写す

と表現しております。
この撮影方法をとれば、扁桃体と海馬がよく見えるのです。

松澤先生のロジック

松澤の断層法の誕生

松澤の断層法は「大脳皮質が萎縮すると認知症になる」という定説を証明する研究から生まれました。東北地方の37,000人のX線CTおよびMRIを撮り、患者さんの大脳皮質の萎縮度を調べたのですが、萎縮度と認知症とはほとんど関係ないことが分かったのです。具体的には78歳男性、会社役員の大脳皮質と63歳の正常人の大脳皮質を比較すると会社役員の方がやや萎縮しています。この人はバリバリ仕事をこなし、毎週ゴルフもしています。これは「大脳皮質が萎縮すると認知症になる」という仮説にあてはまりません。
そこで、松澤先生はどうしたか、本書ではこのように書かれていました。

松澤先生は予想が外れて困ってしまいました。でも、それならそれと改めて注意深く観察して新しい事実を発見するのです。

ストーク

かっこええなぁ~まさに科学者って感じたいね!!

松澤先生のグループが再度認知症患者さん画像を調べなおした結果、側脳室後下角が非常に太くなっていることが分かりました。

側脳室後下角が大きくなっているということは、そこに接する臓器が小さくなっている可能性があります。

この仮説を実証するために側脳室後下角に平行な断面を撮影してみようというアイデアに至ったわけです。

認知症患者の扁桃体の傷

認知症患者の脳を側脳室後下角に平行な断面で撮影してみたところ、これに隣り合う海馬が非常に萎縮していることを見つけました。また扁桃体にも変な傷があったのです。

ストーク

仮説を立てて実験し、仮説通りの結果が出たときの気持ち、わかるなぁ~嬉しかったやろうなぁ~。ばってん、また新しい疑問が生まれてうれしいんだかしんどいんだかわけわからんが、なんかええ気分な感じやったんやろな~そん時の先生と東北大の学生は。

海馬は最近の出来事を記憶する場所、扁桃体は大脳皮質から視覚や聴覚などの情報を受けて好き嫌いを感じるところです。別の著書「脳と心のしくみ」には扁桃体について以下の記述があります。

情動に深くかかわっているのが扁桃体だ。扁桃体は情動の中枢と呼ばれ、感情の源となる「快・不快」や「恐い・恐くない」などを判断している。また、記憶の中枢である海馬とも関係が深く、判断には過去の記憶なども参考にしている。
脳と心のしくみ 池谷裕二監修 2015年11月5日初版発行

また、wikipediaの扁桃体のページには

ヒトを含む高等脊椎動物において、扁桃体は情動的な出来事に関連付けられる記憶の形成と貯蔵における主要な役割を担う。

シママ
なんか、海馬ってパソコンのメモリで、扁桃体はハードディスクみたいだね!
ディープル
・・・でも、パソコンのハードディスクと違って昔のつらい記憶を消したりできないんだよ。つらいよ・・・。

扁桃体の傷が気になった松澤先生は典型的なうつ病、統合失調症の患者さんの脳を東北大のMRIで見たところ、扁桃体に特徴的な傷があったことがわかりました。この事実を以て認知症・うつ病・統合失調症は同じ病気であり、その原因は扁桃体にある特徴的な傷ということが実証されました。
今まで対話でしかできなかった診察が、MRIを用いた科学的根拠に基づいた診察になるという希望のある試験結果でした。
しかしながら、2017年現在でも未だ精神科、心療内科の治療では「対話」しか行われていません。松澤先生の研究成果は医学の世界から葬り去られてしまったのです。その理由についてはこちらの記事で解説しています。

扁桃体の傷はなぜできる?

認知症・うつ病・統合失調症の原因は扁桃体の傷であることを「実際に見て」突き止めました。では、この傷はどのようにしてできるのでしょうか?
本書にはこのように書かれています。

その後の研究で分かったことですが、いじめなどの強いストレスにあうと、扁桃体は通常の倍くらい、三センチほどの大きさに膨張します。これがうつ病のはじまりです。その結果、基底外側核群の細胞が足りなくなり、欠損が生じて穴が開くのです。穴が閉じると扁桃体も小さくなります。しかし、元通りというわけにはいかず、発病時の約6割の大きさに戻ります。発病前よりは二割ほど大きめ、という感じでしょうか。

シママ
強いストレスって、ハードディスクの記憶に残るというよりはハードディスクそのものを変形させちゃうっていうイメージなのかなぁ?
ストーク
せやなぁ・・。強いストレスの暴露から逃れられても、扁桃体の形ばもとに戻らんくて傷がついたままになるたいね。これってディープルがよう言うとる、“虐待やいじめは後遺症が残るんだよ”という話と辻褄が合うたいね。なぁ、ディープル?
ディープル

・・・なるほどわかった。僕が受けてきたいじめや虐待によって扁桃体の傷がついて、それで、いまもずっとずっと苦しいんだ。人と話すのがたとえ相手が誰であろうと怖くて、大きな物音がすると怖い気持ちになって、みんなから嫌われているって思ってしまうんだ。

シママ
こんなエピソードがあるみたいだよ。この傷は案外簡単に治るみたいだよ!

扁桃体の傷を治す方法

Iさんは17歳。ハーフの美少女です。彼女はその美しさのために、中学・高校通じて女性からも男性からもいじめにあいました。16歳のときに突然うつ病を発病し、その後、数度にわたって自殺を図りました。幸い未遂に終わり、松澤先生の治療で回復しました。バナナを食べてよく走ったといい、うつ病の傷の真ん中に神経幹細胞の端がかかり、治りかけています。この写真の後は一度も自殺を図っておらず、結局は治りました。画像はとても正直です。ある女子高生は、やはりいじめをきっかけにうつ病になりました。転校し、松澤先生の治療を受け、ほぼ回復しましたが、数か月たってまた再発してしまいました。詳しく聞いてみると、新しい学校で再びいじめられていたことがわかりました。

ストーク
バナナを食べて走ったら治るってすごいなぁ~なんでやろ。
ディープル
ストーク、僕はいじめられたらまた再発するっていうところが怖いなぁ・・・
ストーク
せやなぁ~。結局、いじめるやつが一番悪いたいね。脳の臓器に傷をつけとるんやろ?ある意味傷害罪やんか。いじめとか虐待は殴られて痛いだけかと思ておった。ばってん、脳にも傷をつけるたいね。ディープルがよう言うとる“虐待やいじめは後遺症が残るんだよ”という言葉が医学的に証明されたんやな。
ディープル

でも、多くの人はわかってくれない。こころの問題は気合が足りないからっていう人も多い。そんな人と接するのが怖くてつらい・・・

ストーク
まぁ、そんなヤツは無知なヤツだからほっとけばええたい。・・・ってできんのがオマエの辛みやんな。
ディープル
うん。

混合型精神病の人は天才?

本書では、万有引力を唱えたアイザック・ニュートン、詩人ゲーテ、進化論のダーウィンもうつ病だったり精神錯乱状態になったりしたことがあり、日本の著名な作家も何人もが心中を遂げていると述べたうえで、このように意見を述べています。

もし、こうした著名な人たちを松澤の断層法で撮影できていたらどうだっただろうか、と私は思います。早くに、適切な治療ができたはずです。一般の人たちとは優れた才能はストレスになります。混合型精神病の患者さんたちの多くは、気づかれない素晴らしい才能を秘めている人たちかもしれません。

ストーク

ニュートンがいなければ、古典力学は生まれず、それを基礎とした流体力学だって生まれなかった。今じゃ、ニュートンのいない理論の世界なんて考えられない。才能は紙一重やんなぁ・・・。

以前、私はTwitterで精神病者は頭の回転が速すぎて、周りから論理が飛躍しすぎているように見え、コミュニケーション能力が不足しているという烙印を押されるといった旨のツイートを見たことがあります。なので、この説は一理あるんじゃないかなぁと思っています。

おわりに

この記事を執筆するにあたり、私はとても疲れました。工学の者が医学の世界に首を突っ込むわけですから、そりゃ疲れますよね。今日はゆっくり寝るとします。
でもとても楽しかったです。「こころの後遺症」というフワフワしたものが「扁桃体の傷」というハッキリしたものに変わった瞬間。この快感は極めて大きいです。やっぱり精神医療も科学であるべき、つまりは誰が見ても同じ判断になるべきで、治療法も統一されるべきだと私は思うのです。私の脳の中も松澤の断層法で撮影してもらいたくなりました。でも、それはもうできないのです。とても残念です。

1 Comment

shimakei8364

コメントありがとうございます。尿や汗からの精神状態の検出ですか・・・。面白そうですね!調べてみたいと思います!
ご助言ありがとうございました!

返信する

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です