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動物撮影の楽しさとテクニックを紹介
動物というのは「かわいい」「かっこいい」のはもちろん、いろいろな表情、姿勢、行動を見せてくれるので被写体として大変魅力的です。しかし、予想もしない動きをしたり、シャッターチャンスが来た!と思っても最適な設定じゃなかったり、カメラを構えていなかったりと難しい面もあります。今回はそんな撮ることが難しい動物の撮り方のコツを4つ紹介します。(私の作品はこちらにたくさん掲載しております)
※植物撮影のテクニックも紹介しています(こちら)
コツ1:レンズは望遠を選択
動物を撮影するには望遠が必須です。35mm換算で300㎜、APS-Cサイズで200㎜はほしいところです。APS-Cサイズのダブルズームキットですと55-200mmのものがあると思いますので、動物を撮影したい希望をもって一眼を買う人はダブルズームキットを買うとよいでしょう。できれば55-300mmのほうがいいです。私は55-300mmの望遠のついたズームキットで始めました。動物撮影において、望遠が必要になる理由はいくつかあります。
①動物との距離が遠いため
動物は常に自分の近くにいてくれるとは限りません。また近づくと逃げる動物、近づくと危険な動物、海で生活する動物など、近くで撮ることが不可能な動物もいます。動物との距離は基本的には遠いと考えたほうが良いでしょう。望遠を使えばトラもドドーンと写せます。
焦点距離:240mm(APS-C) シャッタースピード:1/250 絞り値:F5.3 ISO:125 (@八木山動物公園 宮城県仙台市)
②小さな動物をドアップで写すため
距離が近くても動物の体が小さいとフレームに対して被写体が小さく映ってしまうため、被写体の存在感がぼやけてしまいます。望遠を使えば小さな動物もドドーンと写せます。
焦点距離:240mm(APS-C) シャッタースピード:1/80 絞り値:F5.3 ISO:800 (@八木山動物公園 宮城県仙台市)
③背景をボカすため
こちらはコツ2にて説明します。
④柵をボカして消すため
こちらはコツ3にて説明します。
コツ2:背景をボカして主題(写したい動物)を際立たせる
ボケは被写体を際立たせるためのテクニックです。基本的に「焦点距離が長いほど」「F値が小さいほど」「動物に近づくほど」ボケやすくなります。
動物は風景とは違い、写真の主題をハッキリさせないと、その写真で何を感じ取ってほしいのかよくわからない絵になってしまいます。
ボケが上手く出来ないと次のような「うるさい」写真になってしまいます。
失敗例:焦点距離:80mm(APS-C) シャッタースピード:1/4000 絞り値:F8 ISO:1000(@伊豆沼 宮城県北部)
せっかく翼を広げて飛んでいるところをバッチリ写すことが出来たのに、背景にいる白鳥が上手くボケなかったせいで台無しになりました。
・白鳥たちがもっと遠くにいて
・F値を小さくして
・焦点距離を伸ばして飛んでる鳥にズームアップ
できたらカッコイイ写真が撮れたんじゃないかなーと思います。でも飛んでいる鳥をズームアップするのって難しいんです。
ボケが上手く出来たと思う例がこちらです。
焦点距離:185mm (APS-C) シャッタースピード:1/40 絞り値:F5 ISO:400(@上野動物園 東京 上野)
誰が見てもミーアキャットが主題で、その鑑賞を妨害するようなものは一切ありません。近づくことが出来たこととF値を小さくしたことが勝因だと思っています。
コツ3:柵をボカして消す
望遠を使用すると「前ボケ」というテクニックによって柵を消すことができるのです。そのコツは
・動物が柵から離れているときを狙う
・柵になるべくレンズを近づける
・ピントは自動認識ではなく、ピントの位置を自分で調整できる設定にしておく
です。
柵を消した作例がこちらです。この写真から手前に柵があるなんて想像もつきませんよね。でも実際には動物が捕まっている柵と同じ柵がカメラの前に張られています。
焦点距離:240mm (APS-C) シャッタースピード:1/800 絞り値:F5.6 ISO:100(@八木山動物公園 宮城県仙台市)
柵消しに失敗した例がこちらです。せっかくかわいい仕草を見せてくれたのにもったいないです。
失敗例:焦点距離:280mm (APS-C) シャッタースピード:1/320 絞り値:F5.6 ISO:100(@八木山動物公園 宮城県仙台市)
こちらの敗因は「ピントの迷い」です。柵にピントが合ってしまい、そこから被写体に合わせなおす間にシャッターチャンスを逃してしまいました。
「ピントの迷い」はピント自動認識に設定していると発生しやすいです。カメラはとにかく近くにある映りそうなものにピントを合わせようとします。ピントの位置を自分で調整できる設定にしておくことで被写体がいる位置にピントを自由に合わせることが出来るようにしておきます。動物が通る場所を予測して、通る場所の近くにある物体に「置きピン」しておくのも一つのテクニックです。
コツ4:動物の視線の先に空間を置く
被写体が右を向いていたら左に、左を向いていたら右に配置するようにして、あたかも被写体が何かを眺めているような絵を作り上げます。
何を見ているんでしょうかね。想像するのが楽しくなってくる写真だと思います。
焦点距離:98mm (APS-C) シャッタースピード:1/160 絞り値:F9 ISO:500(@池田動物園 岡山県岡山市)
まとめ
動物を撮るときは
・望遠のズームレンズを使って
・動物以外はなるべくボカして(焦点距離は長く、F値は小さく)
・ピント自動認識を解除して
・動物の視線の先に空間を置いて
撮ると満足のいく写真が撮れると思います。動物はきまぐれです。満足のいく写真が撮れるまで時間がかかるかもしれません。それでも粘っていくとふとかわいい仕草の写真が撮れます。
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