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意識的な呼吸で脳の疲れを癒す
会社や学校で色々な活動をしていると、体の疲れと同時に脳の疲れを感じるようになります。脳の疲れと言うのは、なんとなく頭がすっきりしない感じ、能率が落ちてきた感じといった感覚で現れてきます。
僕の仕事はデスクワーク中心なんだけど、2時間くらい仕事を続けていると、なんだか疲れてくるんだ。別に肉体労働しているわけじゃないのに、なんでだろう?
疲れには体の疲れ以外にも脳の疲れというものがあるんだ。オマエが感じている疲れというのは脳の疲れなんじゃないのか?
脳の疲れ?
ああ、今回は脳の疲れについて説明と、脳が疲れたらどうなるか、
それから簡単にできる脳の疲れの癒し方について説明するぜ。
脳の疲れとは
能率が落ちるのは自分のせいじゃない
「2時間ぐらい仕事をしていると」と言ったが、そのくらいの時間仕事を続けていると、どんな感じになる?
う~ん。朝、スッキリしているときと比べて、同じ作業をするのに時間がかかるようになったり、ミスが多くなったり、仕事するのが嫌になったりするかな。
能率が落ちてくるってことだな?
今朝や昨日、できていたことが・・・そうだな、例えば億劫になったり、ミスが多くなったりするから
「自分は怠けているんじゃないか?」って思うようにならないか?
そうだね。「本来はできるはずの仕事が時間かかるようになったり、やりたくなくなるのは、甘えとか怠けが出てきているからだな、もっと頑張らなきゃ」って思うよ。
それは違うんだ。能率が落ちてくる、仕事が億劫になるって言うのは、脳の疲れが原因なんだ。仕事をしているとき、当然アタマを使うだろ?
いや、企画開発部のストークほど創造的で難しいことしてないし、アタマを使ってるってワケじゃないよ。
いやいや、傍から見て難しい仕事じゃなくても、例えばルーチンワークでも、アタマは使うんだ。上司の指示、あるいは指示書通りに仕事をするのにもアタマは使う。でたらめに仕事しているワケじゃないだろう?
うん。確かに。
それで、さっき、オマエが言った、仕事をやりたくなくなるのは甘えとか怠けが出てきているからだって思うのは間違いだ。
アタマを使って脳が疲れてきているからそういう気持ちになるんだ。
だから、もっと頑張るんじゃなくて、脳を休ませるという行動が必要になってくるんだ。
脳が疲れたという感覚は、体が疲れたという感覚よりもわかりにくいです。そもそも、この記事を見て初めて「脳の疲れ」という概念が出てきたという人もいるかもしれません。そのため、脳が疲れて能率が下がるのは自然な現象なのに「能率が落ちてきたのは自分が怠けているからだ」と勘違いしてしまいます。
脳はコンピュータと異なり、ずっと同じパフォーマンスを続けることはできません。
脳も使い続けると疲れてきて休息を要求してきます。そのため、「さっきまでできたことができなくなった、あるいは時間がかかるようになった」というような体験をします。
これは自分の能力が下がったわけでも、自分が怠けているわけでもなく、脳が疲れているだけなのです。よって、脳を休ませるという行為が大切なのです。
脳が疲れるとマイナス思考になる
2時間くらい仕事を続けていると、脳が疲れてくるにも関わらず、「今の自分は怠けている、もっと頑張らなきゃ!」って思って頑張る。
それが夜遅くまで続くことになると脳が限界を感じてくるようになるんだ。オマエ、普段どれくらい残業している?
今はほとんど残業してないよ。あっても10時間くらいかなぁ。
・・・でも、前の会社は酷くて、8時出勤で帰りが22時とか23時とかばっかりで残業時間が100時間近くになることがあったよ。
その時と、今と比べて、気分になんか変わりはないか?
前の会社にいたころはとにかく気分の落ち込みが酷くて、不安感が強かったり、
・・・なんていうかな、今になってみると「普通、そこまで考える?」って思うくらい過度に心配になったりしてたかな。
あと、頭痛とか吐き気とか、酷い肩こりとか、体の不調もあったよ。
そうか。多分、そのとき、メチャクチャ脳が疲れていたんだと思う。
脳って言うのは自分勝手な臓器でね。疲れてくると、体に「疲労感を出す」という指令を出すんだ。
それが頭痛とか吐き気、酷い肩こりなど体への不調となって現れる。
そして、とにかく、脳は休みたいから、思考をどんどんマイナスな方向へ持って行って、何も行動しない、したくないという気持ちにさせてしまう。
それでも、その状態になってしまった自分は怠けてるとか甘えてるとか思ってしまうんだろう?
うん。そうなんだ。それで体調崩して、心配事や不安感で夜も眠れなくなって、仕事に行けなくなって、その会社を辞めてしまったんだ。
なるほどなぁ・・・。そのとき「脳が疲れているんじゃないか?」って思えていたら、そこまで体調を崩さずに済んだかもしれないな。
脳が休息を必要としていて、能率が落ちてきているのにもかかわらず、「自分は怠けている」と考えて、自分にムチを打って頑張り続けると脳はさらに疲弊します。そして、マイナス思考、自信低下、意欲低下、過度な不安感へと繋がっていきます。
これは脳が疲弊するととにかく休息を要求してくるため「もうこの体では何もできなくしてしまえ!」と思考を「不安、マイナス」の方向へ持って行ってしまうのです。
つまり、マイナス思考や過度な不安感と言うのは、「もう休みなさい!」という体への警告なのです。
脳の警告を無視し続けるとうつ病になる
そのときのディープルの状態と言うのは、うつ病だったかもしれん。
確かに。何もやる気がなくなったり、眠れなかったり、過度に心配症になったり、集中力が落ちてしまったり・・・うつ病ってそういう症状が出るんだよね?
ああ、そうだ。脳が疲れ切ってるから酷くなると、今まで当たり前のようになっていたこと、例えば書類に名前を書いてハンコを押すといったようなことさえもできなくなってしまうんだ。
脳が休息を要求し、それを無視すると警告として「不安感、マイナス思考」を与える。これが出てくるとさらに「自分は怠けている。」「不安だからもっと仕事/勉強しなくちゃ!」となって、その警告を無視する。
また、不安な気持ちがぐるぐると頭の中で回り続けて、さらに脳が疲れてくる。
これが続くと「うつ病」になります。何もする気が起きなくなって、マイナス思考がどん底になって「死にたい」と思うようになってしまう。
ここまで気分の障害がひどくなると頭痛、吐き気など身体の症状がでてきます。
しかも、今までできていた簡単なこと(例えば、四則演算とか書類に名前書いてハンコ押すとか)さえもできなくなってしまう。
人の話や本などから情報を収集しようとしても、全く頭に入らない感じがする。
といった症状が出ます。これらは脳が疲れているために起こる症状です。
脳の疲れと思考のプロセス
今まで話してきた、脳の状態と、思考の状態をまとめてみた。
あぁ、確かにこんな感じになるね。
基本的にこのプロセスのは、誰もが辿るプロセスなんだが、
右側の思考の流れが下へ進む速度は本人と周囲の環境次第だ。
うつ病って言うのは基本的に真面目だったり、責任感の強い人がなる病気だから、甘えちゃいけないとか、しっかりやらなきゃとか思うかどうかは人による。
ディープルは割とそういう性格だから、当時、うつ病のような症状が出たんだと思う。
真面目だった・・・というよりは、前の会社では、仕事が遅かったりすると上司からいつもいつも「甘えるな」「怠けるな」って言われたり、何かあるとすぐに「使えないヤツめ」とか「オマエがいなくなれば、俺の仕事もラクになるのにな」とかいう人だったから、とにかく上司の機嫌を損ねない様にやらなきゃ・・・って思っていたよ。
自分の上に立つ者が、そういう人格を否定したりするような叱責の仕方をする場合には、この右側のプロセスが加速したりするな。
・・・それにしても、酷い会社だったんだな。
・・・今でもそうやって人格を否定する人はいるけどね。上司じゃなくて、同い年だから、なんとか持ちこたえている感じだよ。
まぁ、どこにいても、人格を否定する叱り方をするヤツはいるからな・・・。
でも、みんながそうじゃないってことは忘れないでおいてくれよ。
・・・うん。
うつ病の領域に入らないようにするためには、思考を下の方へ持っていかないようにしなければなりません。
そのためには、脳を休ませてあげて、脳の働きを上の方へ持っていく必要があるのです。
脳の疲れを意識的に癒す・・・呼吸法
この図で、下の方へ行かない様にするためには、まずは、能率が落ちてきたことに対して、自分は怠けてるとか甘えてるとか思わないことだな。
ここで、「脳を休ませなきゃ」って思わないといけないんだね。
そうなんだ。脳を休ませる一番の方法は寝ることだ。
脳の疲れを癒すにはどうすれば良いのか、それの答えは「睡眠」です。睡眠をとることによって、脳の状態が図の上の方へ回復していくのです。だから「うつ病」になったら、その治療法として第一に「睡眠」を上げています。
でも、2時間くらい仕事して、疲れてきたなぁ・・って感じて、寝るわけにはいかないよ。
そうだよな。じゃあ、職場にいながら、脳の疲れを癒す簡単な方法を教えるぜ。
確かに、職場で寝るということは難しいです。そこで、脳の疲れを癒す第二の方法として「意識的な呼吸法」が挙げられます。
リラックスのための呼吸法
意識的に「呼吸」をするんだ。ポイントは2つ
①眼を閉じること
②息を吸うよりも吐くほうに時間をかけること
まず、①についてだが、モノを視るということは一番脳に負担を与えるんだ。これをシャットアウトすることで、脳への負担を下げるんだ。
次に②についてだが、息を吸うときは交感神経が、吐くときは副交感神経が優位になる。副交感神経優位になると体が回復の方向へ向かうんだ。
脳に入ってくる情報の7割は眼からと言われています。すなわち視覚です。これを遮断することで脳を休ませます。さらに目を3分閉じ続けると睡眠波が出て、ごく浅い睡眠状態になります。これによって脳を回復させます。アイマスクがあればなお良いでしょう。
副交感神経とは、眠っているときに優位になる神経でこの神経の働きで体を回復させることができます。
息を吐くという行動をすると、瞬間的に副交感神経を優位にさせることができるので、眠った時ほどではありませんが、少しだけ体を回復させることができるのです。
そのため、吸って吐くという呼吸において、吐く時間を長くすることを意識的行うのです。
呼吸の具体的な手順
さっきの2つのポイントを意識して、次のような具体的手順で呼吸を行うんだ。
(1)鼻から息を吸う
鼻からゆっくり息を吸い込みます。およそ5秒間で吸います。このとき、吸うことだけに集中してください。余計な不安とか思考は捨て置いて「私は息を吸っているんだ」と頭の中で唱え続けるのです。
(2)息を止める
吸い終わったら、3秒間保持して脳内に酸素がわたって、脳が回復していることをイメージしてください。
(3)口から息を吐く
みぞおちの力を抜いて、およそ15秒間かけて口をすぼめて(Leafのfの発音、発音記号/f/の形)ゆっくり深く息を吐きます。吐くときは全身の力を抜いていくようにします。吸うときと同様、余計な不安や思考は捨て置いて「私は息を吐いているんだ」と頭の中で唱え続けるのです。
疲れたな~と感じたら、トイレやロッカー、あるいは休憩室とか、自分の落ち着ける場所に行って、この呼吸を2~5分くらいやるんだ。
上の図での「休息の要求」が来る前にやるのがコツなんだ。
私の場合だと、上記呼吸を2~3時間に一回やれば疲れを感じにくくなると思っています。これは個人差があるので、自分で「疲れた」の感覚を学んでいってください。
でも・・・その2分や5分でも、サボっているような感じがしちゃって・・・。
それは、ハッキリ言って、思いつめすぎだ。別にいいじゃねぇか。何時間かある終業時間のうちの2~5分くらい。
・・・まったく、世の中にはしょっちゅうタバコを吸いに行くやつがクサるほどいるのにな。まぁ、別にそういうやつを非難しているワケじゃねぇけどさ、
そういう人もいるって思えば、2~5分くらい、休んだっていいって思えるだろ。
・・・そうなのかなぁ。
今の職場はさ、比較的良い人がいっぱいいるからさ、遠慮せずに「疲れたなぁ~」と思ったら休めばいいよ。
オマエんとこの・・・総務部の課長とかメッチャ良い人じゃん。大らかで部下のこと真剣に考えてるぜ。
部下が成果を上げるには、というのはもちろん、部下が気持ちよく仕事できるにはどうしたらいいのかとかな。
そうなんだ・・・。
そうなんだ・・・ってオマエ、課長と俺とシママとオマエで一緒に飲んだじゃねぇか?
オマエが総務部の学卒に人格を潰すようなことをゴチャゴチャ言われて参っていた時に、
「まぁまぁ一緒に飲んで話しましょうよ」ってなったじゃねぇか。
・・・あのときは・・。
精神的に参っていたんだろうな。お気持ち察するぜ。
そういえばあの時、元々オマエの悩み聞いて色々話そうと思ったんだが、
俺とその課長とだけで盛り上がっちまったなぁ。悪かったなぁ・・・。
まぁ、とにかく、いい課長さんだから、数分くらい休憩したからなんだかんだネチネチ考えたり言ったりしねぇと思うぜ。
それから、疲れたなぁ~と思ったときに無理をするよりも休憩を入れたほうが却って能率が良くなることの方が多いんだ。
そうやって考えたら、休憩も悪いこととは思えないだろうよ。
過去に怠けるな・甘えるなと厳しく叱りつけられてきた人は、意識的な呼吸法をやる2~5分さえも惜しいと感じるようになります。あるいはこの時間に「サボっている」という罪悪感が湧くようになります。
しかし、脳の休息は絶対に必要であり、体にムチを打ち続けるとどんどん下へ進んでいきます。そしたら能率が下がっていきます。
つまり、5~6時間の集中よりも、2~3時間に1~2回の休憩の方が望める成果としては高いのです。そうやって考えると、こういった呼吸法も無駄ではないと思えてくると思います。
※自分にムチ打って頑張るほど能率が下がることについて以下の記事で具体的に説明しています。
[blogcard url=”http://shimaphoto03.com/psy/all-or-nothing/#nouritsu”]
まとめ
人間には休息が必要です。そしてそのタイミングや感覚は人それぞれです。これは体でも脳でも同じことです。あなたは「疲れたなぁ」と思ったら休んでいいのです。怠けているとか、甘えているとかいう根拠のないフワフワした根性論は幻想であるとスッパリと縁を切って、自分の体を労るほうに力を注ぎましょう。そのほうが結果として能率が上がります。
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