【自由研究】身近な材料でできる炎色反応実験

資料請求番号:TS22

炎色反応とは、金属を燃焼させたときに、金属特有の発色が現れる現象です。
中学校の理科で取り扱われており、金属の名前と色を暗記してテストに挑んだ記憶のある方もいらっしゃるでしょう。

今回は、この炎色反応を身近な材料で行う方法と実際の実験の様子、炎色反応の簡単な原理や利用例をまとめてみました。

シママ
炎色反応ねぇ~なつかし~なぁ~。リアカーのなきK村でしょ?
どうやって個人で揃えられる材料をつかってやるの?
ストーク
これに関しては、いろいろやり方があるが
・コスト安くできる
・比較的オシャレに演出できる(写真写りがよい)
・長時間炎が持続する
ということを考えて実験を組んでみた。

材料

薬局で購入

・消毒用エタノール(プロパノール混入も可,以下エタノールと呼ぶ) 400円/500mL
★ホウ酸 300円/18g

100円ショップで購入

・チャッカマン
・ガラスのコップ(以後、コップと呼ぶ)
・ポリプロピレン樹脂製プレート
・計量スプーン
★カルシウムサプリメント
★食塩
★液肥(カリウム含有)

※ ★印は燃やすもの

ストーク
消毒用エタノールに関しては、プロパノールが混入していると酒税を回避できるから安く手に入る。
無水エタノールを利用した方が不純物が少なく比較的綺麗な炎が出ると思われるが、1800円/500mLと結構高いぞ。
シママ
これなら1,500円くらいで実験できるわね。すでに家にあるものも多そうだし。うまくすれば1,000円以下でできるかも!

実験と結果

実験前の注意事項(安全のために)

ストーク
実験に際して、安全のためにポリプロピレン樹脂製プレートの上でコップを置いて実験する。燃焼中に万一こぼしてしまったとしても、PP樹脂の上で燃える分には問題ないたい。
それから、緊急消火用に「よく濡れたバスタオル」を用意しておくといいだろう。危ないと感じたら濡れたバスタオルを被せることで消火できる。


万一このように、燃焼中にコップを倒して延焼させてしまった場合は、濡れたバスタオルを被せて窒息消火しましょう。またPP樹脂も火に晒される時間が長くなると融けてきますのでなるべく早めに、ただし落ち着いて。写真を撮るくらいの余裕はあります。

エタノールのみ

ストーク
まず、炎色反応のないエタノールのみを燃やしてみる。金属を含むエタノールに火を点けたときに見えた色がちゃんと炎色反応由来かどうかを確かめるためにな。

ストーク
炎の根元は青色で、青色を基調として部分的に黄色が現れるといった感じたいね。
炎色反応が起こったとしたら、これら以外の色が出てくるからよう観察するんや。

食塩(ナトリウム)

①コップにエタノールを10cc入れる
②食塩を2.5cc加える
③よくかき混ぜる
④チャッカマンで火を点ける

エタノールのみと比較する

ストーク
食塩は塩化ナトリウム、ということでナトリウムが含まれているたい。そしてナトリウムの炎色反応の色は黄色。これはかなりわかりやすいな。
目で見ると黄色に見えるんやが、写真に写すと赤色っぽくなっちまった。

カルシウムサプリ

①コップにエタノールを10cc入れる
②錠剤状のサプリを箸などを利用して粉末にする。錠剤は2錠使用する
③エタノールにカルシウムを加える
④よくかき混ぜる
⑤チャッカマンで火を点ける

エタノールのみと比較する

ストーク

カルシウムの色は橙赤色。炎の下部に赤色が見えとる。エタノールのみの時は、炎の下部の赤色はなかったけん、カルシウムの色やろうな。

ストーク
これはちょっとイマイチやったなぁ~。おそらく、エタノールに対してカルシウムがあまり溶けんからやと思う。

ホウ酸

①コップにエタノールを10cc入れる
②ホウ酸を1包(3g)加える
③よくかき混ぜる
④チャッカマンで火を点ける

エタノールのみと比較する

ストーク
ホウ酸はホウ素由来の緑色を出す。写真を見てみると実際に緑色が出とる。
シママ
これ、結構綺麗ね~!

液肥(カリウム)

①コップにエタノールを10cc入れる
②液肥5ccを加える
④チャッカマンで火を点ける

液肥を加えた点火前の状態がこちら。割と綺麗な色です。

エタノールのみと比較する

ストーク
液肥には植物の三大栄養素、窒素・リン酸・カリウムが含まれていて、それを燃やすとカリウムの炎色反応の色である赤紫色が出る。動画より画像の方がわかりやすいかもしれん。それにしてもカリウムの濃度が薄いのか、赤紫色が少ししか見えないのが残念やな。

ガラスのコップが使える理由

シママ
ガラスのコップの中で燃えるってなかなか綺麗だな~って思うけど、ガラスのコップの中で燃やす事例ってあまりないんじゃない?
ストーク
せやな。炎色反応の実験には白金耳に金属溶液をつけてガスバーナーで燃焼させるか、固形燃料に材料を混ぜてアルミホイルカップの中で燃焼させるかといった方法があったが、ガラスのコップで燃焼させた例はなかったと思う。
シママ
なんでガラスのコップを使ったの?きれいだから?危険じゃないの?
ストーク
理由は3つあって、1つ目はこの方法による事例がネット上にないから。
みんながやることをやっても面白くなか。研究と同じように新規性を大切にしたいところやけんな。
2つ目はきれいだから。ガラスの中で炎が出るってなかなかオシャレやろ?
3つ目はガラスが透明だから。ガラス使えば炎の全体像を撮影することができるたい。炎が下から上まできれいに写っとるやろ?色だけじゃなくて炎の全体像を撮影してみたかったんや。
シママ
ふぅ~ん・・・。
ストーク
あと、安全性についてだが、エタノールが燃焼することによって出る炎は最高で1,000℃くらい。ガラスが融解するのは1,200℃やから大丈夫という考え方。
そうやって考えると、灯油で同じことをやったらエラいことになるから絶対にやってはいけない。

燃料としてエタノールを使う理由

シママ
灯油で燃焼させたらいけないのはなんで?
ストーク
2つ理由がある。
1つ目は灯油の炎の温度が高いからたい。最高温度は1,700℃に達する。ガラスのコップでやったらイカンのはわかるやろ?
シママ
うん。
ストーク
2つ目はエタノール火災は消火しやすいからたい。
火が燃えるのに必要な要素は可燃物・酸素・発火源(熱エネルギー)なんやが、「濡れバスタオル」という消火方法は酸素遮断と熱エネルギー除去以外に可燃物の除去という役割を持たせることができる。それは、エタノールは水と任意の混合比で混ざりあうことができるから。エタは濃度が19%以下になると燃えなくなる、つまり可燃物じゃなくなる。
シママ
あ~なるほど。エタの濃度を下げて消火するという考え方だね。
灯油なんかはそれが無効なんだね。混ざらないから。
ストーク
そういうこと。あと、灯油は炭素数が多いから、ススが出て割と汚い炎の色になる。炎色反応も見えんやろうな。

炎色反応の原理

シママ
ところで、炎色反応ってなんで起こるの?
ストーク
どこまで説明するかによるが、一応このページでの説明は高校化学でわかる範囲にとどめておくとしよう。こんな感じの原子の模型を見たことはあるよな?

シママ
うん。K殻とかL殻とかM殻とかでしょ?
ストーク
せや。例えばナトリウムなんかはK殻に2つ、L殻に8つ、M殻に1つ電子が入っておる。
ストーク
その最外殻の電子が加熱などによって熱エネルギーを受けると、一つ外側の殻へ移動する。
エネルギーの高い状態になるたい。


ストーク
エネルギーの高い状態になった電子は・・・

ストーク
光を発して元のエネルギーの状態に戻る。

ストーク
この時の発光が炎色反応いうこと。
シママ
なるほどねぇ~。
ストーク
より専門的な説明は別の記事を作ってそこで説明するけん、この記事では原理についてはこの程度にとどめておこうかと思う。

より詳しい説明はこちら

炎色反応の利用例

ストーク
ところで、この炎色反応、何に使われとると思う?
シママ
花火でしょ?
ストーク
素人だなぁ~。
シママ
何よ!?そうやって質問ぶつけてバカにしてくるのやめてくれる?
ストーク
わりぃわりぃ。花火ももちろん正解なんやが、炎色反応の応用例は花火だけじゃない。化学分析に使われている。
シママ
分析・・・・。
ストーク
中学生は元素と炎の色の関係を覚えさせられるたいね。つまり、元素と炎の色というのは1対1の関係になっているということに着目する。
シママ
???
ストーク
せやから、「この元素を燃やしたら何色になるでしょう?」という問いは、「ナントカ色の炎を出す元素はなんでしょう?」という問いに置き換えることができるいうこと。
シママ
つまり、何が入っているのかよくわからない物質を燃やすだけで、その物質の正体がわかるということ?
ストーク
せやせや!これすなわち、化学分析やろ?この作業のことを専門用語で「物質の同定」というたい。炎色反応の原理を利用した分析手法は発光分光分析として機器分析の世界で定着しとる。
シママ
ふぅ~ん・・。
ストーク
例えば小中学校の自由研究とかでな、炎色反応をするとするやないか。一日でできる自由研究や。割と人気のあるテーマやと思うけん。
そこで、炎色反応は花火に使われるだけじゃなしに、化学分析にも使われると考察した方がより優れた自由研究になると思うんやが、いかが?
シママ
まぁ、自由研究は学校のテストとは違って発想力が試されるからねぇ~。そういう意味ではポイント高いのかもねぇ~。
ストーク
この辺のことに関するより専門的な説明はまた別の記事にまとめるとして、
この記事では炎色反応は花火だけではなく、化学分析にも使われるという説明に留めておこうと思う。

より詳しい説明はこちら

まとめ

今回は身近な材料でできる炎色反応ということで、食塩、カルシウムサプリ、ホウ酸、液肥を燃やして観察してみました。

今回の炎色反応実験では
・コスト安くできる
・比較的オシャレに演出できる(写真写りがよい)
・長時間炎が持続する
ということを考慮して実験を組んでみました。

そして炎色反応の簡単な原理と利用例についてまとめてみました。

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