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分子の運動エネルギーや相(固体・液体・気体)の状態の関係を解説
私たちが普段感じている熱い、冷たい、硬い、柔らかいなど、モノを触ったときの感触はそのモノを構成する分子の分子運動状態に密接に関係しています。
本記事ではミクロな世界で原子や分子がどんな振る舞いをして、その結果、私たちの目にどのように映っているのかを説明します。
分子の振る舞い
分子はその状況に応じて様々な振る舞いをします。回転したり振動したり、光を吸収したり放出したり、凝固したり融解したり・・・。ここではそういった分子の振る舞いについて解説します。
分子運動~並進・回転・振動~
身の回りの物質は分子の集まりで出来ています。そして、一つ一つの分子は運動をしています。具体的に言えば並進運動、回転運動、振動運動をしています。これら運動を工業製品でよく使われる「バネ」を例に説明します。
「並進運動」はバネを投げたときにバネの形を保ったまま飛んでいくというイメージ。
「回転運動」はバネがその場でくるくる回るイメージ。バネの中心に棒を差して力を加えてあげると回りますよね。
「振動運動」はバネを押して縮めて放すとボヨヨーンとなるイメージ。バネの運動と聞いて一番最初に思いつくのはこれなんじゃないでしょうか。
これらのイメージを動画にしてみました。
分子運動と熱
私たちの身の回りにある分子はどれも運動しています。(絶対零度の状態を除く)
その運動の激しさを私たちは「熱」と呼びます。熱いとか冷たいというのは分子運動が激しい、穏やかというのと同じ意味を持ちます。
「皮膚が変化してしまう」いうのはケガ、火傷。
それとリンクして脳が「痛い」と感じるたい。
固体・液体・気体
物質の三態と分子運動
小中学校の理科で物質の三態として「固体、液体、気体」を勉強すると思います。分子式「H2O」の場合は、氷・水・水蒸気ですね。それぞれの状態で分子の運動はどのようになっているでしょう?
固体は分子同士が規則正しく並んでいる状態
液体は分子同士が近くの分子の影響を受けながら自由に動き回る状態
気体は近くの分子の影響を受けずに自由に動き回る状態
左:固体のイメージ(実際にはプルプル振動している) 右:液体のイメージ(実際にはうごめいている)
気体のイメージ(実際には気体分子運動論に従って運動するが、イメージなので完全にランダムに動かしている。)
学校の教室の状態に例えるとな、
固体はみんなが行儀よく授業を受けている状態
液体は休み時間に人々が自由に歩き回っている状態
気体は放課後になって教室に居残る人もいれば、部活に行く人もいれば、帰る人もいる状態
といった感じたいね。
なぁ、これなら固体が固くて、液体がサラサラしてる理由が説明できるやろ?
・・・え?
・・・え?じゃなくてな、せやから、さっき話した粒々がさ、ガッチガチに固まった状態と、それなりに自由に動ける状態とが、それぞれ固体と液体に近いわけやんな?
・・・何て喩えたらええか?あ、角砂糖とスティックシュガーたい。
角砂糖はさ、粒々がガッチガチに固められた状態やろ?感触は?
固い。
固いな。じゃあ、コーヒーに入れるスティックシュガーとかは?
サラサラしとる。
で?
これって、固体と液体の性質そのもの・・・やな。
せやろ?角砂糖とスティックシュガーがメチャクチャ小さくなった姿が分子の姿そのものたい。
お~イメージしやすなった!!
沸点・融点と分子運動
せやったら、ふつーの温度で水が液体で、窒素が気体なのはなんでなん?
それは水の沸点は100℃、窒素の沸点は-196℃だからたい!
・・・ていうのは素人の答えやな。
(結局、なんなん?)
融点は固体が液体になる温度、沸点は液体が気体になる温度です。
物質によって融点・沸点は違いますよね。水の沸点は100℃ですが、窒素の沸点は-196℃です。この違いは何でしょうか?
先ほどの言葉を使えば沸点は
「分子同士が近くの分子の影響を受けず、自由に動き回れる状態になるための分子運動の激しさ」
と結論付けることができます。
水は隣の分子の影響を強く受けやすい物質です。ある程度運動できる状態になっても近くの分子となかなか離れようとしません。
それに対し窒素はある程度運動できるようになれば簡単にあっちこっちへ行ってしまいます。
分子いうのは、常に「お隣さん」の影響を受けるたい。分子は近くの分子に引き付けられるいう特徴があるたい。
それが、水やと強くて、窒素だと弱いってことなん?
せや!せやねん!!だいぶわかってきたなぁ~。
その分子同士をひきつける力って言うのは、Van der waals力・水素結合・イオン間相互作用ってあって、
Van der waals力ってのは双極子-双極子相互作用、双極子-誘起双極子相互作用ってのがあって、分子の双極子モーメントが原因になって発生する。
その例え二酸化炭素のような無極性分子でも、双極子の「ゆらぎ」によって他の分子の双極子が誘起されるから若干のVan der waals力があるたいね。
水素結合って言うのは水分子にすごく特徴的な分子間引力で電気陰性度が大きく異なる原子で構成された分子に現れるたい。
電気陰性度が大きく異なる原子同士が近づくと、電気陰性度の大きい方が疑似的にマイナス、小さい方が疑似的にプラスになって、あたかも電気のマイナスとプラスを近づけたときのような引力を生じるたい。
これが分子の大きさからして水の沸点が異常に高くて常温で液体である理由なんや。俺らがこうして生を受けていられるのも水のこういった特異な性質のお陰やけん、
イオン間相互作用ってのは・・・
・・・・もういい。
(・・・やっちまった。)
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