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子どもというのは残酷な生き物です。自分が強いということを示したいという本能があるため、「自分よりも弱い」と分かった瞬間にその人を攻撃していきます。
学校というのはその攻撃行為、すなわち「いじめ」の巣窟です。
この弱肉強食の世界で敗者となった者は、当時はもちろん、一生ものの心の傷を負います。
この記事では、私が受けてきたいじめ体験をもとに学校教育におけるいじめ問題の実態について考えます。
その上でいじめが被害者に与える影響はものすごく大きいということを伝えることを目的にしています。
私は小さいころから、体を動かして何かをすると言うことが苦手で、私には体育の時間が苦痛で仕方ありませんでした。走る、投げる、跳ぶ・・・みんなが当たり前にできるようなことができない。これだけでも苦しいのに、周りの子たちは私を後ろ指さして笑うのです。
一番つらかったスポーツは「ドッチボール」でした。ドッチボールというのは合法的に人を傷つけてよいスポーツと言えるでしょう。
私に思いっきりボールをぶつけて、私が痛がっているのを見て笑うのです。
殴られるのは痛いです。辛いです。だから必死に訴えるのです。
「やめて」「痛い」と。でも、いじめる側にとってはこれが快感でいじめているわけですから、
私が訴える度にいじめはエスカレートしていきます。
子どもというのは他人の痛みを知らない動物のようなものです。自分が強いということを明示することが生き甲斐なのです。
体が小さくて弱い私は容赦なくそれの標的になっていきました。
心と体が未発達な子どもというのは、自分の力を誇示することが快感なんだ。
体の小さい子ども、弱い子どもというのはそれの格好のターゲットになってしまうんだ。
何よそれ!それじゃあ、タダの動物と同じじゃない!
うん。そうなんだ。でも、心も体も未発達なんだから、しょうがないんだよ。所詮人間だって動物なんだから。
そこで先生が思いやりとか、人の気持ちを考えるとか、人の痛みを知るとか、人間らしく振る舞えるようにするのが教育なんじゃないの?
・・・だから、それが全然出来ていないんだよ。今までも、多分これからも。
子どもはある程度年齢を重ねると、どんな言葉を言えば相手の心が傷つくのかを学習していきます。
小さいころからいじめの標的であった私は、いわゆるスクールカーストの最下位で、いじめられるのが役割のような形になっていました。
小学校高学年になると常に「キモい」「空気」と言われたり、机やノートに書かれたりしました。
人格否定を受けていたのです。人格否定を受けた時の後遺症といったらまた辛いものです。
このくらいの年齢の子どもにとってはまだ先生は脅威です。
悪いことをしているという自覚があるので。私は再三「先生にチクったら・・・」と言われました。
それでも我慢できなかった私は先生に相談したのですが、あろうことか、先生はすぐにその子どもたちを叱りつけたのです。
そのあとの私の処遇と言ったらもう・・・。
つまり、私にとって先生という希望は消え去りました。
もちろん家に帰っても「殴られたら殴り返せ。メソメソするな」と言われ、また殴られたので、家族という希望も消えています。本当に誰にも頼ることができなかったのです。
親も先生も本当に頼りないわよね。というか、対応が下手だし、間違ってるし。
この時点で自殺してしまう子どももいるんだよ・・・。
そうね。よくニュースで「いじめ自殺」って取り上げられるもんね。
うん。いじめる側もいじめられる側も未熟だから、子どもにとっては学校と親が世界の全てに見えてしまっているんだ。
どちらにも居場所を失くした子どもはもう・・・
もう死ぬしかないって・・・。
そうなんだ・・・・。私はいつも「いじめられているから自殺する」っていうのはもったいないと思っていたけど、
考えてみればそうかもね。子どもにとっての居場所ってその2つしかないもんね。
私を含む4人のグループ(班)のうちの一人がこの言葉を言いました。
私はみんなと普通に対等におしゃべりしたいのに、私が常に下にいて、みんなが嫌々私の相手をしてあげているという構図をハッキリと示した言葉でした。
私の心は大きく傷つきました。どうして私はみんなと対等になれないの?どうして私だけが傷つけられなくちゃいけないの?みんなは私がどうなったら友達になってくれるの?一緒に遊んでくれるの?対等になってくれるの?
ずっとこんなことを考えながら生きてきました。
・どうしてみんなと対等になれなかったのか?私だけ傷つけられなくちゃいけないのか?
その答えは、常に自分よりも下の人間を置くことによって安心したいから(えた・ひにんの考え方)
あくまで自分よりも下に人を置くことが目的なので、理由は何でもよいのです。(私の場合体が小さくて肉体的に弱かったというのがあるでしょう)
・みんなは私がどうなったら対等になってくれるの?
解なしです。どうなっても対等になってくれません。なぜならみんなが自分よりも下に人がいるという安心した状況を覆したくないからです。
みんな人の上に立ちたいという本能があるんだよね。だから、「相手をしてあげる」なんて。人を見下すようなことを平気で言い出すんだ。
・・・最低ね。
いや、その人の上に立ちたいという本能は僕らにもあるし、シママにもあるはずなんだよ。
例えばシママさ、もし、自分よりもプログラミングのできる人がいたら、尊敬するという気持ちと同時に、悔しいと思わない?
・・・思うね。でも、私はその人を蹴落としたり、見下そうなんてしないよ。
なんで?
なんでって・・・それを自分がされたら嫌だからよ。
いじめる人ってその考え方が欠落しているんだ。
人の上に立ちたいという本能が満たされれば、誰かを傷つけたっていい。
つまり、その、人の上に立ちたいという本能の出し方に問題があるんだ。別に人を見下したりしなくても欲望は達成できるはず。
シママはじゃあ、自分よりプログラミングができる人がいたらどうするの?
もっと勉強して、ソイツを追い越す!
そうだよね。人の上に立ちたいという本能があるのは結構。それを満たすために自分がパワーアップしたらいいんだ。
でも、いじめっていうのは、人を貶したり、見下すことで相対的に自分を上に持って行っている。
人任せで他力本願。本当に最低ね。
うん。そうなんだよ。自己を磨かないで、他人の落ち度ばかり批判して。いじめる人っていじめられる人に依存しているとも考えられるんだよ。
小学校時代からずっといじめを受けてきました。私はみんなよりも弱い、みんなよりも劣っている、みんなと違う、みんなより性格が悪い・・・・。そういった固定概念を植え付けられてしまったのです。
みんなより強くなるためには、みんなと一緒になるには、性格の良い人間になるには、みんなから仲間外れにされないようにするためには・・・・頭の中でずっとそれを考えながら色々な人と接してきました。
そうしたら気づかないうちに脳が疲弊していたのです。脳が疲弊すると余裕がなくなり、その余裕のなさはオーラとして周囲に影響を与える。これにより「重い人」という取り扱いを受けることになり、人が離れて行っていたのです。
いじめの経験を受けた人ってのは、いじめられない様にするにはどうすればいいのか、好かれるようにするにはどうすればいいか、ということが最優先になってしまうんだ。
それじゃあ、周りが見えなくなってしまうんじゃないの?
その通りなんだ。時にはそっちに集中するあまり、人を傷つけてしまうことも・・・。
・・・それが、いじめを受けてきた人の後遺症ってこういうこと?
うん。いじめられないようにって、意識のベクトルが自分に向いちゃうでしょ?それじゃあ、人に心を開くことができないんだ。
意識のベクトルを外へ向けないといけないんだ。何をすれば相手は喜んでもらえるかな?って考えなきゃいけないんだ。
好かれなかったらどうしようとか、嫌われたらどうしようとか、いつも怯えている人・・・私の周りにもいるわ。
ひょっとしていじめられていたのかもしれないな~。
私はこれまで自然体じゃなかったのです。常に周りの目を気にして、神経を張り巡らさせ、自分の体と脳にムチを打って「いじめられるな」「仲間外れになってはならない」と自己暗示をかけてきたのです。そりゃあ・・傍から見たら「重い人」ですよね。
もう私は子どもじゃありません。だから昔の様に理不尽な理由でいじめられることもないのです。だから私は「仲間外れにされないように」と神経を張り巡らせる必要はもうないのです。
そのいじめられていたのかもしれない人って、正直近寄りがたいでしょ?
・・・うん。
子どもの頃のいじめ経験って大人になっても尾を引くんだ。
でも、いつまでも、この息苦しさを過去のいじめ経験のせいにするわけにもいかない。
だから、自然体で生きて心に余裕を持たせないといけないんだ。
少しでも自分の意識のベクトルが外へ向くようにできるようにならないといけないんだ。
嫌われないように、好かれるように、じゃなくて、何をしてもらったら喜んでもらえるかな~って考えなくちゃいけないんだ。
待ちなさい!!
・・・え?
さっきから「~しなきゃいけない」ばっかりじゃない。そうやって自分を追い詰めて、できるの?それ。
・・・
全部思った通りに出来りゃ、そりゃラクだろうけどさ、
しなくちゃいけない、できなくちゃいけないってそれ、結局重いよ。
まずはさ、ディープルが自然体でのびのびと生きられるようにできるようになるのが先でしょ?
変に着飾らなくても、そのままのディープルと友達になりたい人なんていくらでもいるよ。特にあなたは既に人の痛みをわかってるんだから。
それが自然体なんじゃないの?
私もディープルが少しでも自然体でさ、元気に生きられるようにサポートするよ!
・・・ありがとう
うん!だって友達じゃないの!
うん。