ほんとうのままではいられない日にも、手を抜かずに生きてしまう。
誠実に不誠実に生きる
ほんとうのことだけで
生きていけたらよかった
けれど たぶんそれでは
いくつかの場所に入れなかった
だから私は
少しだけ言い換えて
少しだけやわらかくして
少しだけ わからないふりをした
納得していないことにうなずく手つきも
ほんとうは違うと思いながら笑う顔も
ずいぶん前から
下手ではなくなってしまった
それはきっと
弱さというより技術だった
傷つけないために
こぼれ落ちないために
ここに居続けるために覚えた
うまくやるほど
自分から遠ざかる日もある
けれど雑にはできなかった
どうせ曲げるのなら
せめて丁寧に曲げようと思った
不誠実であることを
何も知らないふりで使うのではなく
これは少し嘘だと知りながら
それでも誠実に引き受ける
たぶんそれが
私の覚えた社会性で
あまり褒められたものではなくても
生きのびるためには要るものだった
今日もまた
ほんとうの声を少しだけ畳んで
きれいに並べた言葉を差し出す
それが正しいかはわからない
ただ
壊れずに渡っていくためには
こういう橋のかけ方もあるのだと
私はもう知っている