資料請求番号:TS32
スポンサーリンクここではベクトル解析で出てくるいろいろな公式を大真面目に証明してみようと思います。ベクトル解析では式の複雑さから色々なものを省略して書かれており、教科書で理解することが難しかったりします。ここでは式が冗長になることを覚悟してなるべく省略せずに一つ一つ理解できるようになるためになるべく省略せずに公式を証明したいと思います。
※ここではベクトル解析の計算の基本ができることを前提としています。勾配、発散、回転ってなに??という方は先にこちらをご覧ください。
回転の発散はどんな変数であれ、ゼロになるという公式です。
一つ一つ数式をかみ砕いていきましょう。まず、上の式を①∇×A ②∇・(①)の二つに分けて考えます。
ベクトルA = (Ax, Ay, Az)の回転をとります。回転を取る作業は行列式を使います。
①で求めた式の発散をとります。発散の定義はこちら
この定義に沿って
最終的に黒い太字の項と赤字の項と緑字の項になります。これらは全部打ち消しあってゼロになります。これで証明終了です。
波動方程式を導く際に使用する公式です。Eの回転の回転の・・・って考えると頭がごちゃごちゃしてきますよね。ここでは一つ一つ解決していきたいと思います。まず、上の式を①∇×∇×E ②∇(∇・E) ③ ∆Eの三つに分けて考えます。
まず、手始めにEの回転を計算しました。i,j,kはx,y,z方向の基底ベクトルです。
得た式にさらに回転をかけてみます。
めちゃくちゃ式が長くなりましたが、やっていることは∇×Eと同じです。
これで∇×∇×Eの各成分の量がわかりました。
∇(∇・E)を計算します。まず、∇・Eを求めます。これは簡単ですね。二行目からはそれの勾配を取りました。三行目でまとめて各成分の量を求めました。
ラプラシアンです。ラプラシアンというのは勾配の発散ですよね。つまり
∆E = ∇・∇E
ということです。この∇Eの計算がめんどくさいんです。勾配を取るということはランクを一つ増やすことですから、Eがベクトルだったら∇Eはテンソルです。
∇Eを9つの成分を含むテンソルとして表現しました。
さらにここから発散を取ってベクトルに戻し、各成分ごとにまとめてみます。
②、③から∇(∇・E)と∆Eの各成分をまとめると以下の様になります。
そして∇(∇・E)ー∆Eを求めると
どうでしょうか?①式と②式は同じになりましたね。これで証明終了です。