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【第1回】物質量(mol)をゼロから解説!






【初心者必見】物質量(mol)と化学反応式の基礎 – 第1回



【初心者必見】物質量(mol)と化学反応式の基礎 – 第1回


はじめに

こんにちは。本記事では、物質量(mol)の基本概念と、化学反応式を中心に解説していきます。化学を学ぶ上では避けて通れない要素ですが、「なんとなく分かっているつもり」「公式に当てはめるだけ」という方も多いのではないでしょうか。会話形式で進めますので、ぜひリラックスして読み進めてみてください。


ストーク
よっし、シママ。今回は物質量(mol)と化学反応式の基本を、一緒に確認していこうか。
シママ
うん、よろしく! ちょっと苦手意識があるけど、基礎からしっかり理解したいな。

ストーク
がってん! じゃあまず第1章から始めよう。

第1章:物質量(mol)の基本理解

まずは「mol」とは何か、というところから。
日常では「1ダース=12個」「1グロス=144個」など、ものをまとめて数える単位がありますよね。化学でも非常に小さい粒子を扱う都合上、まとめて数える必要があるためにmolが使われます。

1. molの定義

1molは、6.02 × 1023の粒子数を意味し、これをアボガドロ定数(NA)と呼びます。例えば、酸素分子(O2)1molには6.02 × 1023個の酸素分子が含まれるというわけです。

目に見えないほど小さい原子や分子を数えるには、桁違いに大きな数が必要なので、molは非常に役立つ単位です。


シママ
6.02×1023個って想像つかないけど、これが化学計算の基本単位なのね。

ストーク
そうそう! 感覚的にはめちゃめちゃ大きな数だけど、計算上はすごく便利なんよ。


【例題】molの基本計算

例題1:質量からmolを求める

【問題】
水(H2O)18.0gには何molの水分子が含まれていますか?

【考え方】
水の分子量は「H:1.0 × 2 + O:16.0 = 18.0」です。
よって水1molの質量が18.0gということになります。

【解答】
18.0g ÷ 18.0g/mol = 1.0mol
したがって、18.0gの水には1.0molの水分子があります。


シママ
分子量が18.0だから、18.0gだとピッタリ1molになるんだね。意外とシンプル!
ストーク
そうなんよ。実際のところ、分子量がそのまま1molあたりの質量になるって考えると楽やね。

例題2:標準状態の気体の体積を用いる

【問題】
標準状態(0℃, 1atm)では、1molの気体が22.4Lを占めるとします。メタン(CH4)44.8Lを用意した場合、それは何molになるでしょうか?
また、このメタンを完全燃焼させるのに必要な酸素(O2)は標準状態で何L必要ですか?

燃焼反応式:
CH4 + 2O2 → CO2 + 2H2O

【解答・解説】
●メタンのmol数:
44.8L ÷ 22.4L/mol = 2.0mol

●酸素必要量:
反応式では、CH41molあたりO22molが必要。
よって、メタン2.0molなら酸素4.0mol必要。

1molの気体が22.4Lなので、4.0mol = 4.0 × 22.4L = 89.6L
従って、メタン2.0molを完全燃焼させるには、89.6LのO2が必要です。


シママ
なるほど、ここでもmole比がそのまま計算に使われるんだね。
ストーク
そうたい。気体でも質量ベースでも、最終的にはmolが計算を通じて繋がるっちゃね。


第2章:化学反応式とmolの関係

ここでは、molをベースに書かれた化学反応式がどのように成り立っているかを見ていきます。
例えば、メタンの燃焼反応式
CH4 + 2O2 → CO2 + 2H2O
は、1molのCH4が2molのO2と反応するというモル比を示しています。

1. molでは成立するが、g(質量)では成立しない?

反応式が示す比率はmol(物質量)の比率であって、質量の比率ではない」という点は重要です。
例えば、先ほどの燃焼反応式から読み取れるのはあくまで「CH41mol : O22mol」であり、16g : 32g×2=64gではない、ということです。
実際に質量で合わせると、メタン16gに対し酸素64gの比率になり、これは偶然にも同じ比率になってはいますが、化学反応式が直接教えているのはあくまでmol同士の比です。

例えば別の反応では、「molの比と質量の比が全く一致しない」ケースもよくあります。化学反応式=物質量(mol)の比例だと頭に入れておくことが大切です。


シママ
なるほど……。反応式はあくまでmolどうしの関係だけど、質量換算すると全然違う比率になることもあるんだね。

ストーク
そーいうこっちゃね。反応式だけ見て「質量がこうだ」とは読み取れんので、そこに注意がいるばい。

2. 化学反応式の係数が表す意味

反応式の係数は、それぞれの物質の相対的な物質量を示します。
例えば、下記のような反応式では:
2H2 + O2 → 2H2O
「H22mol と O21mol が反応して、2molのH2Oができる」と読むのが正しい理解です。
この比を質量に置き換えるにはそれぞれの分子量を掛け算して変換しなければなりません。「分子量の違う物質を、そのまま質量だけで比率を読むと誤解が生まれる」という点に気をつけましょう。


シママ
分子量をかけていくことで、最終的に質量ベースの計算ができるけど、まずはmolどうしの関係を読み取るのが基本なんだね。

ストーク
そのとおり! モル比を先に見るか、質量を先に見るかで間違いやすいから、気をつけてな。


shimakei8364