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近年、「コミュニケーションスキル」の重要性はますます増しています。仕事でもプライベートでも、人間関係を円滑にするためには、自分の思いを相手に適切に伝える力が求められています。その際、相手が不快になる「YOUメッセージ」ではなく、相手が受け入れやすい「Iメッセージ」を活用することで、トラブルを減らし、相互理解を深めることが可能です。
本記事では、職場コミュニケーションや日常会話で役立つIメッセージ活用法について解説します。人によって「心地よい」と感じる表現は異なりますが、Iメッセージを用いることで多くの人が受け入れやすくなり、自己肯定感の低い相手でもスムーズにコミュニケーションを進められる可能性があります。これにより、メンタルヘルスや心理的安全性が高まる職場風土づくりにも繋がります。
YOUメッセージとは、相手を主語にした表現です。例えば、「あなたは○○しなさい」「あなたは間違っている」などといった言い回しは、相手に対し「命令」「非難」「決めつけ」といったニュアンスを含みます。その結果、相手は不快感や自責感を抱きやすく、話し手が本当に伝えたい要点が届かなくなってしまいます。
一方、相手に伝えたいことを「私はこう感じる」「私は○○と思う」といったIメッセージで示すと、相手は非難や攻撃と受け取りにくくなります。これにより、聞き手は自然と傾聴の姿勢になりやすく、互いに尊重し合う風土が醸成されます。
「あなたが悪い」と言う代わりに、「私はこれを改善したいと考えている」と伝えるだけで、相手は「まず話を聞いてみよう」と思いやすくなります。非暴力コミュニケーション(NVC)の考え方でも、相手を否定せず、自分の感情や願望を表現することが、より良い人間関係の構築につながるとされています。
ここでは、職場の一場面を通じて、Iメッセージの有用性を見ていきましょう。
登場人物:
・シママ:名古屋の大学を辛くも単位ギリギリで修了した情報系出身者。現在は企業で働いており、意欲的かつ負けず嫌いな性格で、時に強い表現をしてしまうことがある。
・ディープル:男性で経理担当。幼少期の虐待や学生時代のイジメで自己肯定感が低く、人からの好意を素直に受けとめられない。そのため、相手の言葉選びに敏感で、非難されていると感じると心を閉ざしてしまう。
このように、相手を非難するYOUメッセージでは、話し手の真意が届きにくくなります。しかし、Iメッセージは相手を肯定しながら自分の思いを伝えるので、相手は素直に耳を傾けやすくなります。
以下はIメッセージを活用する際の具体例です。
これらはまず相手の存在や努力を肯定しつつ、自分の考えを提示する表現です。肯定されると人は安心し、非難されていないと感じるため、提案内容に耳を傾けやすくなります。また、相手の心地よさや自己肯定感を損なわないことで、長期的に見ても良好な信頼関係を築く助けとなるでしょう。
コミュニケーション能力は、必ずしも生まれつき決まるものではありません。Iメッセージを使ったちょっとした表現の工夫で、相手が「聞いてみよう」と思う気持ちを引き出し、良好な人間関係を育むことができます。
職場コミュニケーションでの悩みや人間関係のストレスを減らし、心理的安全性と生産性を高めるためにも、ぜひIメッセージを取り入れてみてください。小さな一言の選び方が、相手を尊重し、信頼感を育み、結果として良質なコミュニケーションを実現します。