広角から望遠まで幅広く写せる高倍率のサードパーティレンズはタムロン、シグマ両社から発売されています。タムロンとシグマ、どっちが良いレンズなのか、私も悩みました。今回はその答えを得るべく、両社のレンズ、どちらが良いの?ということで比較したいと思います。
この記事では、
#1 AF 16-300/3.5-6.3DiⅡ VC PZD MACRO (タムロン製)
#2 18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM (シグマ製)
のレンズについて、実際に撮影を行い、その画像を比較します。
「良いレンズ」と言うのは定義が曖昧で、どっちが良いレンズ?という疑問に対しては、比較対象を絞って議論しなくてはいけません。今回は
・手ブレ耐性(手ブレ補正の性能)
・撮影作品を拡大したときの画質
を比較したいと思います。手ブレ耐性が優秀であるほど、シャッタースピードを遅くすることができますので、周囲の暗さに耐えうるレンズと言えるでしょう。被写体が動いている場合は、周囲が暗いときに流し撮りがしやすいレンズと言えるでしょう。ちなみに、周囲が暗いときに動いているものをビシッと止めて撮りたいときはisoを上げるか、明るいレンズを使うしかありません。
また、他の基準、例えばAFの速さや静かさ、レンズそのものの重さや外観、広角端(16mmと18mm)の使い勝手の違いなどについては議論していません。ご了承ください。
某家電量販店内で私の一眼本体(Nikon D5500)に両社のレンズを装着し撮影しました。#1のタムロン製レンズはお店にあったものを貸していただきました。#2のシグマ製レンズは自前のレンズです。
店内の概略図を示します。
近くに商品棚が2つあり、奥に掲示板があります。掲示板には黒板とチラシがあって、黒板にチョークで文字が記されています。
奥の掲示板の黒板に書いてあった文字「プリント」に焦点を合わせて撮影し、「ント」の部分だけ拡大して比較します。このようにして、写真のごく一部を拡大してみることで、ブレと画質を評価します。
焦点距離は広角、中望遠、望遠としました。具体的数値は
広角:タムロン16mm、シグマ18mm
中望遠:タムロン100mm、シグマ116mm
望遠:タムロン300mm、シグマ300mm
本当は焦点距離を合わせて比較したかったのですが、その場での微調整ができませんでした・・。
撮影モードは全てマニュアルです。
iso感度は全て100としました。
手振れ耐性を見ることを目的としたので、極力シャッタースピードが遅くなるように設定しました。焦点距離により、ブレやすさが変わるので、焦点距離に従って、シャッタースピードを決定しました。(ちなみに焦点距離の逆数が適切なシャッタースピードと言われています。)
広角の場合:1/10 sec
中望遠の場合:1/20 sec
望遠の場合:1/20 sec
店内の明るさに合わせて、適正露出となるように設定しました。本当はF値を固定して、店内の明るさに合わせてiso感度を調節したかったのですが、iso感度は100以下に出来なかったので断念しました。
色味によって、画質が良いようにみえたり、悪いようにみえたりする場合があります。Autoに設定していると、ホワイトバランスはカメラ側で勝手に値を変えられてしまうので、今回は晴天(色温度5500K)に固定しました。
手ブレ耐性を見ると言っても、撮影者本人の手ブレコンディションによって結果が左右されてはいけないので、連写で5枚撮影し、5枚のうち、最もよく撮れていると思った写真を抽出しました。(申し訳ありませんが、ここだけ私の主観が入っています。)
もちろん両社のレンズとも手ブレ補正のモードはONにしてあります。
広角で撮影した場合、写真全体の見た目はこんな感じになります。
写真全体から「ント」の文字の部分だけ拡大した図を下に示します。
(下の写真がカメラに納めた実際の写真です。)
#1 AF 16-300/3.5-6.3DiⅡ VC PZD MACRO (タムロン製)
焦点距離:16mm,シャッタースピード:1/10 sec ,F11,iso100
#2 18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM (シグマ製)
焦点距離:18mm,シャッタースピード:1/10 sec ,F11,iso100
中望遠で撮影した場合、写真全体の見た目はこんな感じになります。
写真全体から「ント」の文字の部分だけ拡大した図を下に示します。
(下の写真がカメラに納めた実際の写真です。)
#1 AF 16-300/3.5-6.3DiⅡ VC PZD MACRO (タムロン製)
焦点距離:100mm,シャッタースピード:1/20 sec ,F11,iso100
#2 18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM (シグマ製)
焦点距離:116mm,シャッタースピード:1/20 sec ,F11,iso100
望遠で撮影した場合、写真全体の見た目はこんな感じになります。
写真全体から「ント」の文字の部分だけ拡大した図を下に示します。
(下の写真がカメラに納めた実際の写真です。)
#1 AF 16-300/3.5-6.3DiⅡ VC PZD MACRO (タムロン製)
焦点距離:300mm,シャッタースピード:1/20 sec ,F11,iso100
#2 18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM (シグマ製)
焦点距離:300mm,シャッタースピード:1/20 sec ,F11,iso100
どっちが良いレンズか?という問いに対しては、これまで示した画像を見ていただければと思います。
この記事では、実験結果だけ提供しますので、あとの判断・選択は読者自身でしていただければと思います。
私の感想としては「シグマレンズを選択してよかったなぁ」です。また、シグマレンズの画質、手振れ耐性に対する技術力のすごさに圧倒されました。シグマの可能性に惹かれた私は、さらに過酷な条件で実験をしました。
上記実験の中望遠の条件で今度はシャッタースピード1/5にして比較しました。
#1 AF 16-300/3.5-6.3DiⅡ VC PZD MACRO (タムロン製)
焦点距離:100mm,シャッタースピード:1/5 sec ,F16,iso100
#2 18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM (シグマ製)
焦点距離:116mm,シャッタースピード:1/5 sec ,F16,iso100
実験は以上になります。お付き合いいただきありがとうございました。
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